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20年は積極財政への転換が最大の鍵【潮流】岡山 憲史

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第2次安倍晋三政権発足から8年目

2020年は第2次安倍晋三政権の発足から8年目に当たる。大胆な金融緩和、積極的な財政政策、成長戦略を「3本の矢」とした経済政策「アベノミクス」を掲げてスタートしたが、経済に活気はない。

名目GDPを増やすことで財政状況は改善する

当時の経済ブレーンとして首相を支えた本田悦朗・元内閣官房参与が言う。「最大の目標は、予見しうる将来はデフレに戻らないと言い切れるデフレからの完全脱却だ。足元の消費者物価指数(CPI)はいつマイナスに戻ってもおかしくない。日本のように20年間デフレが続くと、将来も価格が下がり賃金は上がらないと人々が予想する。消費者と企業経営者のマインドを変えないといけない。景気はよくなり物価は緩やかに上がる確信をつくることが最も大事だ。消費増税により、本気でインフレをめざしているのかメッセージが一貫しなくなった。欠けているのは財政だ。日銀が資金供給を増やしても景気が改善せず、消費性向が下がり、企業が内部留保を増やすばかりでは、資金ニーズは起こらない。財政を使えば民間に強制的に資金が流れ、マインドも変わる。官から民に資金を供給するルートを金融政策だけでなく、財政政策も使う。新規発行の国債を日銀が全額買えばいい。財務省は財政の持続可能性が疑われるというが、根拠は何なのか。名目国内総生産(GDP)に対する純債務の比率は緩やかに収束している。足元が低金利なら名目GDPを増やすことで財政状況は改善する。少なくとも国債の発行量を前の年より減らさず、少しでも増やしてほしい」と。

日経平均3万円超えは政策転換で可能

2020年は2人の日銀審議委員が任期満了となる。本田元内閣官房参与が加われば20年間続いてきた緊縮財政から積極財政に転換できる可能性が生まれる。その場合、日経平均は2万4150円の大きな節目を超え、2020年前半に強い相場上昇が期待できる。1989年の史上最高値(3万8915円)からバブル崩壊後の最安値までの下げ幅に、「黄金比率」と呼ばれる戻り幅(61.8%)を足した2万6740円まで上昇するのに時間はかからないだろう。財政支出の規模が大きければ大きいほど経済は回復スピードを速め、株価の上昇が勢いを増す。2020年に日経平均3万円超えを実現させることは政策転換で簡単に出来る。

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